テミスの不確かな法廷と受験勉強のあいだで

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こんにちは。司法太郎です。

先日、ふとしたきっかけで新しく始まったドラマ『テミスの不確かな法廷』を見始めました。

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正直に言うと、これまで法曹ドラマといえば「相棒」を流し見する程度で、特別に期待していたわけではありません。ただ、第1回を見て、思わず「おっ」と声が出てしまったのです。

なぜか。

第1話の中で、いきなり「裁判官の忌避」という言葉が出てきたからです。

これが、ちょうど今取り組んでいる民事訴訟法の勉強で出てきた論点とドンピシャ。つい先日まで、除斥と忌避の違いをテキストとにらめっこしながら整理していたところだったので、「ああ、今まさに自分が勉強している世界が、ドラマの中に出てきた」と、妙にうれしくなりました。

受験勉強というのは、どうしても視野が狭くなりがちです。朝から晩までテキスト、過去問、講義動画の繰り返し。息抜きが必要なのは分かっていても、「今テレビを見ている場合じゃないだろう」と、自分で自分を縛ってしまう。

でも、今回このドラマを見て思いました。

同じ息抜きなら、まったく無関係なバラエティを見るより、多少なりとも勉強に関連するものの方が、精神的な罪悪感は少ないし、むしろプラスになるのではないか、と。

もっとも、テレビドラマで扱われる法律の多くは刑事訴訟法が中心です。取り調べ、証拠、被疑者・被告人の権利……。司法書士試験の範囲からすれば、正直ほとんどが試験範囲外。それでも、「法」という共通言語の中で物語が進むだけで、頭のどこかが刺激される感じがあります。

『テミスの不確かな法廷』で、毎回のように出てくる印象的なセリフがあります。

「わからないことがわかってないと、わからないことはわかりません」

初めて聞いたときは、「ん? どういうことだ?」と一瞬引っかかりました。言葉としては、ややこしい。でも、少し考えると、言っていることはとてもシンプルです。

自分が何を分かっていないのかを自覚していない状態では、そもそも『分からない』という問題意識すら持てない。

これは、まさに理系的な発想だな、と感じました。かつて研究をしていた頃、指導教員によく言われたことを思い出します。「どこが分からないのかを説明できないうちは、まだ本当に考えていない」と。

法律の勉強でも、これはまったく同じです。

民事訴訟法でも会社法でも、「なんとなく分かった気がする」状態が一番危険。本当は論点を取り違えているのに、自分では気づいていない。逆に、「ここが分からない」と言語化できた瞬間から、初めて勉強が前に進む。

このセリフは、言葉遊びのようでいて、実は本質を突いている。そう思うと、毎回このフレーズが出てくるのを、純粋に楽しめるようになりました。

第2回で印象に残ったのは、弁護人の「真実義務」と「誠実義務」が衝突する場面です。

真実を追求すべきなのか、それとも被告人の利益を最大限守るべきなのか。理屈としては、教科書的な説明も可能でしょう。でも、現実の現場では、そこはきれいに割り切れない。

ドラマでは、その狭間での判断は「弁護人の匙加減次第」というニュアンスで描かれていました。

ここにも、法の世界の不確かさ、そして人間臭さが表れています。条文や判例だけを追いかけていると、どうしても法律が機械的なルールの集合体のように見えてしまう。でも実際には、その運用には必ず人が介在し、価値判断が入り込む。

司法書士試験の勉強をしていると、「正解は一つ」という世界に長く身を置くことになります。択一問題、記述の模範解答。もちろん、それは試験として必要な形式です。ただ、こうしたドラマを見ると、「実務や現実の法廷は、もっとグレーで、もっと揺らいでいるんだ」ということを思い出させてくれます。

今までは、何となく安心して見られる「相棒」ばかりを選んでいました。予定調和で、最後は真相が明らかになり、スッキリ終わる。それも悪くありません。

でも、『テミスの不確かな法廷』は、スッキリしない。答えが一つに定まらない。その不確かさ自体をテーマにしている。

受験勉強の合間に、こうしたドラマを見るのも、案外悪くないなと思いました。単なる娯楽ではなく、「法とは何か」「正義とは何か」を、少し違った角度から考えさせてくれるからです。

もちろん、テレビばかり見ていては本末転倒です。明日もテキストと過去問が待っています。ただ、勉強一色になりすぎず、こうした形で頭をほぐす時間も、大切なのかもしれません。

次回はどんなテーマが出てくるのか。

また民事訴訟法の論点が出てきたら、思わずニヤリとしてしまいそうです。

それでは今日はこのあたりで。

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