今日は、取締役会設置会社における印鑑証明書の添付について勉強しています。
一見すると地味な論点ですが、記述では地味なところほど足をすくわれるんですよね。
■ 原則と例外の話(そして納得)
取締役会設置会社において、
取締役の就任承諾書には原則として印鑑証明書が必要。
うん、ここまではいつもの話。
ところが、例外がある。
合併による設立
組織変更による設立
この場合は、
👉 就任承諾書の印鑑証明書は不要。
初めて聞いたときは、
「え、なんで?」と思いました。
でも、よく考えると、先生の一言が妙に腑に落ちました。
「そんなに大変な手続きをやるんだから、
そこまで要求しなくていいでしょ、ってことです。」
……なるほど。
確かに、合併設立や組織変更設立って、
手続き自体がもうヘビー級。
書類の量も多いし、
論点も多いし、
記述で出たら、問題用紙を見るだけでめげてしまう。
そこにさらに、
「はい、印鑑証明も全部ね」
なんて言われたら、さすがに鬼畜すぎる。
制度設計として、
「ここは免除してあげよう」という配慮なんだろうな、と。
■ 記述で解く「設立」は確かに重い
実際、記述を解く立場で考えると、
設立案件は本当に重たい。
・登記事項が多い
・添付書類も多い
・条文の横断も多い
答案構成だけで、
すでに腕が疲れそうになる。
「あぁ、設立が出た…」
と、去年は何度も心が折れかけました。
■ でも、先生の一言が意外だった
そんな中、先生がこんなことを言っていました。
「慣れてくると、
実は設立よりも、募集株式の方が大変だったりしますよ。」
え?
設立より?
正直、ちょっと意外でした。
今の自分の感覚だと、
設立はラスボス級。
募集株式は中ボス、くらいの印象。
でも、よく考えてみると、
最近の自分は募集株式にかなり時間をかけています。
・引換えにする財産
・払込か現物出資か
・増加する資本金と資本準備金
・株主総会決議の要否
……確かに、ややこしい。
設立は「最初から全部書く」けど、
募集株式は「既存の会社を前提に、変化分だけを正確に書く」。
この差分処理の方が、
慣れてくると神経を使う、というのはわかる気がする。
■ 去年、ギブアップしたのは「設立」だった
ここで、去年の自分を思い出しました。
商業登記の勉強をしていて、
途中で完全に止まったのが、設立。
「あ、もう無理」
「覚えること多すぎ」
「わけわからん」
そうやって、
設立で心が折れて、そのままズルズル。
でも、今思えば、
あれは慣れる前にやめてしまっただけなのかもしれない。
■ 「慣れれば大したことない」という世界
先生の話を聞いていて、
ふと、こんなことを思いました。
設立って、
慣れれば“型”の世界なんじゃないか?
登記事項も、
添付書類も、
基本的な流れも、
ある程度決まっている。
最初は量に圧倒されるけど、
一度「全体像」が見えると、
むしろ淡々と処理できるようになる。
そう考えると、
今、自分が募集株式で時間をかけているのも、
決して無駄ではない。
むしろ、
ちゃんと大変なところを大変だと感じられている証拠。
■ 理論も大事。でも、記述の練習も急げ
今日の勉強で、
もう一つ強く思ったことがあります。
理論はもちろん大事。
でも、理論だけで止まってはいけない。
設立も、
募集株式も、
結局は「記述でどう書くか」。
理論を完璧にしてから記述、
ではなくて、
理論をほどほどに → 記述で慣れる → 理論が深まる
この循環に早く入らないといけない。
■ もう一踏ん張り、その先へ
今はまだ、
設立に対しても、
募集株式に対しても、
「重たいなぁ」という感覚が強い。
でも、その重さを超えた先には、
きっと別の景色がある。
設立が「普通」になり、
募集株式が「神経を使う論点」になり、
その先で、また別の壁が現れる。
それでいい。
もう一踏ん張り。
そして、その頑張った先の、
「楽になった状態」を体験したい。
ランナーズハイみたいなものか?
……いや、司法書士ハイ、かもしれない。
とにかく、
今日も一歩、前へ。
司法太郎でした。

コメント